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2009/07/21

老舗の誇り、老舗の驕り

7月ももうすぐ終わり、夏休み前の仕事もちょっと一山超えた感じです。

今年に入って、お客様のリクエスト商品で昔からの老舗のメーカーさんへのコンタクトが結構立て続けに入ったのですが、結構明暗分ける印象的な対応だったので、ちょっと記してみます。

きっかけは3月の帰国、なかなか自社ではコンタクトが進まないからという日本のインポーターのリクエストでコンタクトを始めた某老舗菓子メーカー。

確かに名前は知れているほうだし、パッケージングもそう悪くないのでお客さんの目に留まったのはよく理解できるのですが、正直初回のコンタクトから印象いまいち。

尤も老舗が使うレシピというものは、私の中では受け継がれていくものであって、時代の流れとともに、人工的な手段を必要以上に取り入れるのにはあまり好意をもてないのですが、このメーカーはまさしくこんな感じ。

取引を進めるのに原材料の確認などは必須事項ですが、元々バターを使うはずのところにマーガリン、そして保存性を高めるのに保存料とあまりにも安易に質を落としているのは一目瞭然といった感じで、あるのはネームバリューだけ?という印象を持った私。

品質に関する質問をしても、大した回答も得られず、なんとなくプッシュしたくない気持ちは強まる一方でしたが、自分で探してきた商品でもないので、とりあえずキャッチボール式に情報は流していたのですが、正直、品質などは二の次、商品を大事に扱うパートナーよりも数量をしっかりと動かしてくれるパートナーを探しているのが見え見えで、余計ひるんでしまいました。

その一方、昔からの伝統に誇りを感じ、規模は大きくなりながらも、昔からの品質にこだわったしっかりと地に足のついた老舗メーカーにも巡り会え、いろんな素敵な刺激をもらいました。

こういうメーカーとの付き合いだと、どうやって商品が生まれたかなどの秘話とか、こだわりの食材とか伝統的な製法についてのお話とかも聞けて、伝統を築き上げた人たちの苦労をしっかりと受け継いで、時代の流れは変わろうと、常に品質にこだわったものを届けたいという作り手の思いが伝わってくるような食材にも巡り会えて、いろいろと勉強になりました。

確かに一度有名になったらブランドが一人歩きする時期が来るのが実際なのかもしれません。でも本当に分かる人には前者のような名前だけのブランドと後者のような伝統を受け継いだ立派な老舗の違いってきちんと読み取れるものだと信じたいものです。

自分たちもささやかながらものづくりに携わるようになり、共感できる相手、そうでない相手と以前よりも違いにより敏感になってきた今日この頃です。

不況下で生産者たちも結構辛い時期を過ごしていますが、ほんものの食材がきちんと評価される環境が崩れないで欲しいなって思います。

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コメント

サイト運営し始めた者なんですが、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://hikaku-lin.com/link/register.html
こちらより、相互リンクしていただけると嬉しいです。
まだまだ、未熟なサイトですが、少しずつコンテンツを充実させていきたいと思ってます。
突然、失礼しました。
VQhx597G

投稿: hikaku | 2009/07/22 00:28

こんにちは。

難しいところですね~。
名前が知られているからそれでよしとするか、
看板に負けないだけのものを作り続けることを貫くか。
日本の有名料亭の偽装事件なんかも、
おんなじところに根があるかもしれませんね。

投稿: cories | 2009/07/22 14:08

hikakuさま

相互リンクのお申し出頂きましたが、基本的に相互リンクの受付をしておりませんので、申し訳ありませんが遠慮させていただきます。
悪しからずご了承くださいませ。

投稿: Aya | 2009/07/22 14:22

coriesさん

こんにちは!
癒しのトスカーナ旅行からちょっと日にちが経ちましたが、オランダの夏満喫してますか?

ほんとどこの国でも老舗が知名度に驕り高ぶり、自助努力を止めてしまうと、違う方向に一人歩きしてしまって取り返しがつかないことになるんじゃないかと思うんですよね。でもそれに気づかないのも悪いですけど、名前優先でそういう人たちをちやほやする人たちがいるのもいけないんだろ思うのでした。

でもその反面、何百年もの歴史のある作り手の人たちが創業者の思いや情熱を大事に今も昔と変わらない心意気でものづくりに携わり続けているのを目の当たりにすると本当に心がジーンとします。

伝統ってこうやっていろんな人たちの努力や思い入れがあってこそ受け継がれるような気がします。

投稿: Aya | 2009/07/22 14:30

後継者は、創設者の苦労を見ていないから、伝統=ビジネスで、こだわりなく製法を変えれちゃうんだろうね。そしてそれでも買う人がいるわけだし…

うちの近くに、チャンピオンになったピザ屋があるんだけど、わずか30席ほどの小さなお店。おかげで週末の予約だと3,4ヶ月待ちは当たり前の状態。それでも、店を拡張することはないのよね。自分でできる量しか作らないと言うポリシーを持ってるから。こういう人の作る物は、やっぱり一味も二味も違うの。
何が言いたいかって言うと、老舗の伝統は、ポリシーやメンタル面も引き継いで欲しいよね。

投稿: Riccia | 2009/07/22 14:33

Ricciaちゃん

いくら創始者の家族が引き継いでいても、家業のこだわりとかきちんと教え込まれず、ちやほやされ、あぐらかいているような人たちは遅かれ早かれダメにしちゃうよね。

だけど、品質にこだわってやっていて有名になった人たちとのかかわりも多いんだけど、Ricciaちゃんちの近所のピッツェリアみたいにこだわりを捨てずに品質重視で仕込み続ける人たちが今でも残ってくれるのって凄いことだよなって思うよ。
でもほんと素晴らしい逸品を世に生み出すことに誇りを感じて、周りの雑念に左右されずに自分の道をひたすら進む人たちって素敵だと思うわ。

投稿: Aya | 2009/07/22 14:50

う~~ん。老舗って何だろう?って時折考えますね。京都や関西などは、それこそ創業200年とか300年とかのお店も軒並みあるんだけど、それを大々的に宣伝せず、ひっそりとやっているところも多い。でお客なんていつ行ってもいるんだか?というところも多くて、これで食べていけるのか?という感じなんですが、そこは、昔からの底力というか、顧客がちゃんとついているというか、富の蓄積というか・・。ちゃんと何とかなっているのよね。ところが、何かのはずみで、一端商業ベースに乗ってしまい、それも跡継ぎの時代になって東京支店とかバンバン出すようになると、味も品質もどうでも良くなるというか、いかに儲けを出すかという浅ましさが丸見えのところも、多いんですよね。
なんかね。そんなだから贔屓にしていても一端雑誌に取り上げられて調子ついたところのものは、興サメで買う気がなくなるのよね。ある意味、お金って怖いよね。

(有名になっても、ビスコッティの質、落とすなよ!)
なんか・・Ayaさんの文章読んでるだけで、目に見えるようにわかるわ・・。

投稿: ihoko | 2009/07/23 17:01

ihokoさん

ほんと素晴らしい本物の老舗っていうのは手広く広げてはどこかに歪が出てくるので、数量も出せる訳ないから、ひっそりと顧客を大事にしてやるのが粋だと私なんか思ってしまうんですけど、ほんとお金を一度見ちゃうと堕落の道を進む人たちが多いのですよね・・・
ついつい欲張っているうちに、結局品質を落としてコストを落としちゃう反面、マーケティングとか宣伝にはお金かけたりでいろいろとバランスが取れないものって多いですよね。

これってやっぱり世界共通ですよね。今巷に溢れている大手メーカーなどの多くも考えれば一種の老舗でありますしねぇ。

普段、自分で商品を開拓する時にはこういうメーカーは門前払いなのですけど、今回はリクエストだったからねぇ。。でも結局お客さんを説得し、代替の商品で進めてもらうことになりましたです;)いくら頼まれものとはいえ、納得いかないものは取り扱いたくない頑固者ですんでねぇ。

私は少なくとも食に関してだけは、情報をしっかりと持っているほうだと思うのです。ほんと試食しなくても原料見ただけで食べたくない代物で、おまけに事前検査の言葉を口にしただけでビビる奴ら、何をどんだけ使っているかわかんないですよ。。

投稿: Aya | 2009/07/23 17:21

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