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2007/10/21

クラテッロを訪ねて

Culatello_cantina昨日からめちゃくちゃ冷え込んでいるイタリア全土ですが、昨日の朝は早起きしてパルマ郊外まで本物のクラテッロ・ディ・ジベッロDOPを訪ねて出かけてきました。

ポー川のほとりに程近い町コロルノにあるトラットリア、Al Vedelの食肉加工の工房へお邪魔することになり、1週間の疲れもなんのその(??)、なんとか10時には目的地にたどり着きました。

この地域でクラテッロが作られるようになったのは、ポー川に近く霧深く、独特の湿度の高さから必要に迫られて作られるようになった昔の人たちの知恵で、トスカーナとウンブリアの地形の関係上、生ハムを熟成するのに適した風が送り込まれるパルマの生ハムで有名な産地ランギラーノなどと違い、生ハムを仕込むのには湿気が多すぎるというので、部位に細かく分けて熟成するようになったのが始まり。

Insaccatura_2 残念ながら、いまやパルマの生ハムのメーカーはどこも近代設備を完備することで、このミクロクリマを再現していて、ある種職人の技というよりも近代技術に頼り切った製法に完全に変わってしまっているのが現状ですが、クラテッロは生産量も少ないのもありますが、昔ながらの製法に出来るだけ忠実に今でも作られている貴重なものです。

直接乾塩法で塩漬けされたお肉は塩を取り除いた後、豚の膀胱を綺麗に洗浄したものの中に詰められ、一つ一つ丁寧に紐がかけられます。紐をかける作業は熟成と共に水分が飛んでサイズが縮んだ時のことも考慮してかけなくてはならないので、これはやはり職人技。

Cantina1ラテッロ・ディ・ジベッロを仕込むのはどんよりじめじめ底冷えし、霧深い気候になる10月から2月までの間のみ。それ以外の時期はスターティング時の熟成に向かないので、敢えて仕込みません。

こちらが熟成を行うカンティーナ。こちらは空調などは一切使わずに冬は寒く、夏場は暑くという自然環境に左右されながらの熟成になりますが、美味しいクラテッロを作るのには温度よりも湿度を維持することとか。

雨の少ない夏場などには、カンティーナの床に白ワインを振りまいて湿度の管理を行い、55-90%の湿度を常に維持するように大事に熟成が続けられます。

詳しいクラテッロの製法はまたそのうち。

Reggia1 さて、工房を見学した後はちょっとだけコロルノの町の散策へ。

ここには、この土地を収めていた有名な貴族、コレッジョ家によって1300年代に作られた素晴らしい宮殿があり、1700年代にはブルボン家の手に渡り、その後1800年代にはナポレオンの所有地として使われた由緒ある場所です。

庭園には無料で誰でも入ることが出来、とても手入れの行き届いた庭園内をお散歩するだけでも結構楽しいですよ。

Giardino お庭はこんな感じで、イギリス庭園のように綺麗に垣根で模様が描かれていて、行き届いた手入れに感動。

普段この手の庭園のある宮殿はピッティにしてもカセルタにしても入場料を取られるのが普通なので、公共の場として使用されている場所にもかかわらず手入れが行き届いているのを見ると、イタリアもお金を取らないところでも、こうやって誇りを持ってやっているコムーネもあるのねって感じでちょっと見直しましたわ。

Culatelloさて、しばし散策した後は、いよいよクラテッロのテイスティング。

トラットリアに戻ると、テーブルに案内され、地元の赤の発砲ワイン、Fortana del Taroというバッサ・パルメーゼに伝わる伝統的なものを頂きました。

初めて飲んだのですが、ランブルスコよりもフルーティで甘めですが、切れ口もすっきりしてなかなか美味しかったです。

クラテッロは2種類出してくれました。

14ヶ月熟成のもの(左)と右側の2年熟成のもの。

とてもピュアな味わいで、ソフト感のある14ヶ月もそれなりに美味しかったけど、2年熟成のものは芳醇な香りを放ち、アミノ酸の旨味も加わり、これはなかなかの逸品って感じでした。 ちなみに真ん中に添えてあるのはバター。こちらをクラテッロに添えて提供するのがこの土地の食べ方のようで、特に寒くなる時期にはバターのまろやかさとマッチして美味しくいただけそうです。

Salumi

それ以外にもこちらで仕込んでいるいろんなサラミ類を頂きました。

印象に残ったのはストロルギーノと呼ばれるソフト感のあるサラミ。

脂肪分も少なく、とてもジューシー感のあるサラミでした。

フィオッケット(モモの脂肪分の少ない部位で作った加工品)もとっても風味がよくて美味しかったです。

Neve こちらで作っていらっしゃる食肉加工品を一通り頂いて、お腹も満腹になり、幸せな気分で帰途につきましたが、帰り温度が急激に下がった関係でボローニャからフィレンツェの山越えではなんと雪が・・・

・・・・さむっ。

夕方にはお家に戻りましたが、あまりの寒さにこの秋初めて我が家の暖炉に火を入れました。

イタリア在住の皆様、きっとどこも冷え込んでいると思いますが、お互い風邪引かないように気をつけましょうね~。

BUONA DOMENICA

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コメント

クラテッロおいしいですよねぇ~。
羨ましいブログです!
ところでストロルギーノ(でしたっけ?)、あれ私も昔食べて感動しました!
シチリアではまず手に入らないし、手に入ったところで、北の地方で食べたのと食感も味も全部違うのがわかっているので・・・。
とにもかくにも、羨ましい・・・。

投稿: kinuko | 2007/10/21 18:35

kinukoさん、おはようございます。
パレルモも寒いですか?

ストロルギーノ、本当に感動でしたよ。食べたのは2回目でしたが、やはり自家製のサラミは美味しいですわ。
でもこういうのは他のところに持っていったら美味しくないんだと思うなぁ。売る人の熟成庫のコンディションも変わってくるし、独特のソフト感はどこまで維持できるか疑問って感じです。

でもこういうのはその土地で味わってもらえれば十分だと思っちゃいます。足を運ぶ人の特権という感じでねっ。

投稿: Aya | 2007/10/22 08:52

すご〜い!!壮観♪
そして美味しそう(笑)
貴重な日記をありがとう☆

投稿: ロコママ | 2007/10/23 01:29

ロコママさん、こんにちは!
クラテッロはイタリアの食肉加工品の中でも希少価値の高いもので、すっごいお値段で売られるものなのですが、腿の臀部に近い部分のみを使用して仕込むので、口当たりがよくて美味しいのですよ。

投稿: Aya | 2007/10/23 08:24

う~~~ん。美味しそうです。良人や良人の同僚が見たら涎をたらしそうですが・・私肉類が、食べますけど・・苦手なので、生ハム類やこういう感じの物は見るだけ止まりです。昔ながらの製法を守る工場っていいですねぇ・・。
何年か前になりますが、辻料理学院だっけか?(名前ももうすでに不確か・・)の先生方の通訳で何度か、ハム工場とかバルサミコ工場とか行きましたが・・。殆どが近代化されていて趣は薄かったです。

投稿: ihoko | 2007/10/23 09:52

ihokoさん、その後着々とお家の内装は進んでいますか?
クラテッロ・ディ・ジベッロを見に行ったのは2回目でしたが、こういうのって本当に職人さんなしでは出来ない食べ物だと見ていて思います。
でも、本当に小さな作り手と近代化された工場では全然違いますよね。
私も規模の大きな工場の見学は好きになれないですよ。

投稿: Aya | 2007/10/23 11:03

相変わらずいろいろな職人さんの下へ足を運ばれていますね。AYAさんから食べ物への優しい情熱と愛情を感じます。
職人さんにとっても誇りでしょうね。
ああ、私も食べたくなりました~!

投稿: きっこ | 2007/10/23 14:04

きっこさん、こんにちは~。
はい、あいも変わらず、貧乏暇なしであちこち足を運んでおりますですわ。
でも、食べ物って本当に造り手の情熱と愛情があって初めて生まれるんだなってこういう手作りの職人さんがいるところにいくと本当に思いますよ。
日本だとこういうのって結構廃れているから、いろいろと見直して欲しいなって思っちゃいます。
でも、きちんと説明を聞いてからのテイスティングはいろんな思い入れを感じるからまた一味違うって感じ。
地元の伝統を重んじたトラットリアなので、もしパルマ近郊に行く機会があれば、お勧めですよっ。ワインのリストもとっても充実してましたよ。(でもあんまり安くはないかも?!)

投稿: Aya | 2007/10/23 14:38

ようやくayaさんのところに遊びに来れました!
このクラテッロ、圧巻ですね!パルミッジャーノの工場見学をした時にも、あの巨大チーズの貯蔵庫を見たときも感動しましたが、このプロシュートもすごそう!うーん、行ってみたい&試食してみたい!
↑のビスコッティもおいしそう!Ayaさんの思いが最後はみんなにも通じて、最高の一品になってよかったですね。

投稿: Riccia | 2007/10/29 11:45

RICCIAさん、いらっしゃいませ~。
そしてお帰りなさい。日本はどうでした?
ほんと、クラテッロの工房(工場とはまた違う趣)は本当に素敵な空間でしたよ。
ジベッロのクラテッロのメーカーは今回訪れたような小さなつくり手がほとんどでリストランテとかが作っていることが多いので、料理人が原料肉の特性とか知った上で作っているので、またただの造り手とは違うんですよね。
いやぁ、いろいろと奥が深いわ。
ビスコッティのお陰様で、食いしん坊の祈り通じ;)満足いくものが出来ました。
あとは買ってくださる方の厳しい評価を待つのみ?!

投稿: Aya | 2007/10/29 14:20

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