ちょっぴり間が空きましたが、先週のシエナ県の食の旅の最終日にはチンタセネーゼの肥育、加工、果物の栽培、加工しているオーガニック農家へ行ってきました。
場所はアミアータ山の中腹あたり。周りは緑一色で、鳥がさえずり、新鮮な空気が暖かく迎えてくれました。
この地方の黒豚は白い縞が入っていて、見た目もちょっぴりキュートな感じ。野生で育っていた豚だけに、白豚よりも鼻の部分が長く、耳が前傾していて目の部分を覆うようになっているのは、やはり山の中で生活しやすいように徐々に進化した証拠のようです。
ここの肥育者は完全に放し飼いにしていて、40haの敷地内に約250匹のチンタセネーゼを飼っているとのこと。彼らの餌は100%オーガニックのものばかり。木の実(どんぐり、栗など)、草、きのこなど生えているものを食べて育ちますが、木の実が少ない時期には適宜とうもろこしや穀物を与えて栄養補給しています。
でも、こうやって広い原野で生活している豚さんたちはストレスもないので、伸び伸びとしていました。チンタセネーゼが成熟するのには、最低17.8ヶ月の肥育期間が必要。6ヶ月ほどで肥育される白豚からするとコストも敷地面積も必要なので、かなりの投資が必要ですが、こうやって動物を愛し、手をかけて育ててくれる肥育者の方がいるのは心強いことです。
チンタセネーゼは白豚よりも脂身が分厚いのですが、普通の豚と違って、善玉コレステロールが多いのが特徴。コラーゲンもたっぷりですし、体にも優しい脂身です。
さて、こちらがチンタセネーゼの生ハム。トスカーナではパルマの生ハムと違い、肩肉は使わないので、モモの部分のみ生ハムにされます。
ここではシンプルに塩、胡椒だけで味付け、一切添加物などは使用せず、最低17,8ヶ月ゆっくりと熟成されます。
普通の白豚の生ハムよりもかなり小さめ(5,6kg程度)ですが、色も濃く、赤みの部分も脂の部分の風味とコクも濃厚で、本当に贅沢な逸品です。お値段も目が飛び出るほどいいものですが。
イタリア国内でも小売店で買うとキロ単価が80ユーロ程度。でも、肥育の手間と苦労を考えると意外と安い買い物かもしれません。
こちらは熟成中のサラミ。
サラミの表面が徐々に白カビで覆われてくるのですが、全体が程よく白カビで覆われたら、コンディション良く熟成が進んだ証拠で、食べるのにも美味しい状態になっています。
熟成庫を見た後にサラミも試食しましたが、絶品。
彼らのところでは肩の部分の赤身もふんだんに使っていて、加工する過程で一斉にひき肉にするのではなく、赤身の部分と脂身の部分を別々に程よく挽いてから混ぜてあるので、練られた感じがなく、とても美味しく頂けました。
一暇かけることでこれだけ差が出るんだったら、手間を惜しまないのが大事だなって味見して実感。
サラミ以外にも生ハム、グアンチャーレ(ほほ肉)、ラルドの試食をしましたが、どれも綺麗に加工されていて、美味しかったです。自然で綺麗なものって味もいいんですよね。
最後にはリンゴの天然発泡酒、シードルをおもてなししていただきましたが、これまた不思議な独特の風味。ガスを入れているわけではないので、ほんのり炭酸が入った程度ですが、リンゴの風味豊かでやさしい甘さで、でも、キレがとても良く、飲み口がすっきりしていました。
リンゴは良くテイスティングの際に口の中に残った味を消すのに使われますが、このシードルでも代用できるかも?!なんて勝手に想像したところでした。
何はともあれ、素敵な食べ物と素敵な人たちと過ごすひと時はとても貴重なもので、わざわざ訪問してくれたお客さんのおかげで、私たちも一緒に素敵でリラックスした時間を共有出来たことにに感謝感謝。
最近のコメント